MORAL HARASSMENT

モラル・ハラスメント

先日姉が一冊の本を送って呉れた、最近になって姉が母親の鉄面皮且つ破廉恥な言動を詮索し過ぎた為に勘当されたといって、なげきつつ、一足先にオーストラリアに避難した私に、この本の内容が私が母親についてこの20年間主張した事とまったく同じ事をみつけ送ってくれたのだ。

内容は自己愛の強い人間が、過去のトラウマによって、人を傷つけずにはいられなくなるというものなのであるが、内容がまるで母親の事を書いたのじゃないかと見紛うほど、小生がこの20年間事ある毎に主張してきた事と一致し 、自覚症状が出始めた、頃から考えれば過去30年間に及びモラルハラスメントを受けていた事になるのである。

この事実から類推して、結局の所それ以前も母親は同じであり、只こちらが子供で自己主張できる立場では無かったと言うに過ぎない。

こういった類の本を読むと余りにも客観視している余り、実に歯痒いのも事実であるし、特に加害者が母親の場合、盲目的に従って居た時代もあり、又自分にも同じ様な血がながれており、同じ様な事を意識せずに繰り返して居た事すらあり、本のように加害者から只離れればすむという単純なものでもない。

50歳になってそれまでの人生を自伝にまとめて以来、この件は蒸しかえしたくもなかったが、この書物の内容が小生の体験と余りにも酷似しており、又被害者としてのあり方が、小生の採ってきた軌跡と似ているので、発表することにより、他の同じ様な被害に遭われている方にとって少しでもお役に立てるのではないかと思い敢えて、筆をとる事にした。

小生は人生55年未だかつて是ほどモラルハラスメント加害者の特徴を適確に捉え変質者と断定した書物を見た事がなかった、自伝の中でも触れているが、「愛の鞭」、「可愛い子には旅をさせよ」の言葉により美化され、見て見ぬふりの事勿れの人達にどれほど悩まされたか返す返すも口惜しい。

これは頁末の芳秋自伝の抜粋ですが、この短い文章にも下記の本に指摘されているようなモラル・ハラスメント加害者の特徴が現れています。モラル・ハラスメント加害者とこの長い名称を打ち込まなくとも、我が母親の名前を入れても、やり過ぎと言えない位特徴を捉えているのです。

【自伝抜粋】

色々ご批判もおありでしょうが、先ずはこの本を一読されてから、再度お読み頂ければ幸いに存じます。

人間関係につぶされないために!現代人必読書

モラル・ハラスメント
人を傷つけずにはいられない
マリー=フランス・イルゴイエンヌ
高野 優[訳]
紀ノ国屋書店




世に、「捨てる神あれば拾う神あり」と申しますが、オーストラリア人の今の女房に出会い結婚し、移住して以来4年間、経済的にも社会的にも過去最悪の環境かも知れないが、幸せ感は最高であり、この生活を実戦編として書き記したいと兼ねてから考えていたが、幸せ感というものは相対的なものであり、このクーラーも無い猛暑のオーストラリアで、ひんやりとした風が寝室を吹きぬける幸せ、愛する女房と朝食を取る時の幸せ、これ以上の幸せがどこにあるのだろうかとすら思える時がある。

然しながら、母性と言うものは実に重要なものであり、もし母親がモラルハラスメントの加害者であった場合その心のすきま風を塞ぐ手段はありません、それを配偶者に期待し過ぎると副次的な禍を生じかねません、すべて自分の心の中で収めるしかないのです。現在も未だ母の傍若無人は続いて居り、こちらが逃れたと思っているだけで、先方は現在は末っ子を無視するという事により、歴史からその存在すら抹殺するという手段で臨んでいると思われてしかたがないのです。

結局、親子間の或いは副次的な兄弟間のモラルハラスメントの解決が難しいのは、長い年月の間にお互いスケープゴートを作り、他人を血祭りにあげてお互い自分が難を逃れてきたという事もあり、大元の事実に訂正を入れた場合はそこから派生する事実も全て訂正しない事には抜本的な解決にはならないと言う事である。

つまり、この作業は加害者を客観的に観察するだけでなく、自己批判的に自分をも客観視しなければいけないと言う、内省が重要な要素を締めるのである。

これは小生がオセロゲームと呼んでいるもので、親からインプリントされた事実が間違っていた場合、過去にまで遡って黒の物を白、白の物を黒に訂正することにより、自分の記憶を訂正する作業である。

小生が常々、自分が最年少だった為に、すべて貧乏くじをひいてしまって来た、という裏腹に、目上の者は末っ子は常に甘やかされて来たと思いがちな事実をも冷静に見つめて訂正する必要がある。とどのつまり、誰も特別扱いされたものは無くすべて親から思い込まされていただけである事が多いのである。

今から考えれば会社から帰ってみたら、自分の部屋が祖母が亡くなってからホーンテッド・ハウスと呼んでいた、隠居場になんの前触れも無く移動されていたり、しばらくしたら、そこから更に屋根裏部屋に移されていたり、子供を単なる物として扱うのも、このモラルハラスメント加害者たる自己愛人間の特徴だったと言う事である。

最近では父の葬儀で日本に帰った時、しみじみと「柳田家は本来家は一つだったのに、それを無視して、3人も男を立てようとしたのが間違っていたわ」「早い内に下二人を田舎の金持ちに養子に出しておくべきだったわ」と言った時は、さすがの僕も開いた口がふさがらなくて、言葉を失い何も言い返す事すらできなかった。

その同じ時に母が、もっともらしく、「アメリカは個人個人は良い人が多いが、国は駄目だ、日本はその逆に国は良いが個人個人がだめだ」と言ってきかせたことだ、それにはさすがの私も閉口して「どこかで聞いた台詞だな」と「それは以前俺が言った事じゃないか」とおもいつつ言ってみたのだが、慌てた母親は、「って、以前おじいちゃまがおっしゃったの」と語気を荒げてそれ以上追求するなと顔を赤らめたのである。

それ以前にも、私が何かの時に、「柳田國男が敗戦の原因は100年位しなければ判らない言ったそうだ」と話したばかりに、彼女が源典を調べもせずに、自分の挨拶状に載せてそれも都合よく50年に変えてしまっていたのを発見した時は「この婆あやりやがったな」と内心思った物である。

現在我が家は壊滅状態に近い状態でかろうじて存続しております、結局家族を解散する訳にも行かず、誰かがその加害者と接触し、鳴かず飛ばず状態で、ごまかしごまかし前進するより他に方法はないのです。

先ずは父が骨抜きにされ、続いて母の傀儡となった父に長男も萎縮させられ、結婚を契機に次男も骨抜きになり、長女はその優秀さ及び同性であるが故、ターゲットにされ続けた挙句、ともすると母親と同じ事を次ぎの世代にしかけてしまいそうになる様は只離れれば良いという単純な事では解決出来ない人間の業の深さを感じさせられます。

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